第2章 林檎一個分の儚さ(芥川龍之介)

「......」

『..食べないの？』

龍は自分の手の中にスッポリと滑り込んだ球体をまじまじと見ていたので私は気になってしまい、問うた

「否、銀と二人で食べる」

..やっぱり欲しかったんじゃないか

銀の分も貰って来ようかとも思ったが龍が怒りそうだ

『じゃあ持って帰ったら？』

「お前に云われなくとも解っている」

『そ』


可愛くないやつっ！