• テキストサイズ

【弱ペダ・荒】狼な王子様?

第3章 無名


朝起きると隣には空っぽの布団。
誰も居ない見慣れない部屋。
「先輩?」
呼び掛けても返事はなく、何かよく分からない事が起きていそうな、慣れない部屋。途端、ガチャン。と玄関の鍵があき、物音がする。昨日の今日で、しかもここは一応男子寮。何が起きてもおかしくない。荒北が居るから安心していたが、その荒北が居ない今、不安しか過らない。しかし、そんな不安もお構い無しに部屋のドアが開く
「あぁ?起きやがったか?」
マグカップ2つをもってドアを足で閉めながら入ってくる荒北。
「今日、食堂やってねーんだよ」
さっきまでの不安がなくなり、マグカップの中のスープの香りが部屋を満たす。荒北がベットを背もたれに腰かけ、名も隣に座る。とそこに敷いてある布団が冷たい事に気づき
「先輩、昨日ちゃんと寝ましたか?」
そうきくと
「・・・・まぁな」
とそっけなく返ってくる。ほんの数十分、布団から抜けていた温度ではない。だが何も言わない荒北に合わせ深く聞くことはしなかった。朝のゆっくりとした時間が流れていると思いきや、荒北のラインがけたたましく鳴り、画面を見た途端、名に手渡さられる。そこには
『朝飯買いに行かない?』
『メイは起きたか?起きろー!』
『俺はいい』
『早く荒北なんぞの部屋から出してやらんとな』
『じゃぁ、正門前に集合で』
「行くぞ」
読み終わると同時に声をかけられ、直ぐ様行く支度をし、ママチャリをひいて皆のもとへ。
「こいつ駅まで送ってくる」
「なんだ、珍しく一緒に行くと思ったらそーゆー事か。」
「なんだ苗、また戻ってくるのか?」
そう言う新開と東堂。
「とりあえず今日こいつは休みだ。」
「え?」
荒北を見ると
「福チャンには話つけてあっから休め」
と頭をつかまれる。荒北の後ろに乗って、途中皆と別れてから駅まで行く間会話はなく、ただただ荒北の体温を感じていた。
「先輩、ありがとうございました。色々と」
「全くだ」
「そう言っても連れて行ったの先輩ですから!」
「へいへい。すみません。」
「謝る気なさすぎますよ」
そう笑うと荒北もつられたように笑ってくれた。
/ 7ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp