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Sweet Life 〜僕らの甘い時間〜【気象系BL】

第3章 SAKURA Drop


「智くんの背中の桜、満開だね?」

そう言うと、智くんは少し照れたように顔を両手で覆って、“バカ”と呟いた。

そうだ、俺はバカだよ。
智くんのためなら、どれだけだって俺はバカになれるんだよ。

「もっと咲かせて上げようか?」

腕の中で智くんの身体を反転させて、胸、脇、腹…至る所に赤い華を散らしていく。

その度に智くんの口からは悩ましい声が漏れた。

「綺麗だね、智くんの桜…」

髪を撫で、最後に額にキスをすると、智くんがフッと視線を逸らした。

「どうしたの? 気に入らなかった?」

「違うよ…。そうじゃな」

「じゃあ何? もしかして、怒ってる?」

「怒ってないよ。たださ…、これもいつかは散ってしまうんでしょ? それが寂しくて…」

考えてもなかった。

そうだ、智くんの全身に咲いた赤い華だって、一週間もすれば跡形もなく消えてしまう。

それが寂しいんだ、と智くんは一つ鼻を啜った。

でも…

「この華が散ったら、また咲かせて上げるよ。何度だって咲かせて上げる」

智くんの身体に咲いた桜の花が散ってしまわないように、何度だって俺が…

「約束だよ? 来年、また桜が桜季節までずっとだよ?」

「うん。ずっとだ…」

小さな蕾が膨らんで、また花開くその時まで


ずっと…


おわり♡
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