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Sweet Life 〜僕らの甘い時間〜【気象系BL】

第14章 Baby's Fragrance


「翔くん?」

不意に名前を呼ばれて我に返る。

「どうしたの、ボーっとしちゃって」

「ん? ああ、腹減ったなぁ、って思ってさ」

噓だ。
腹なんて、そう大して減っちゃいない。

そうやって無理矢理にでも誤魔化してないと、自分が抑えられなくなりそうだから…

なんたって俺の”制御装置”は既にぶっ壊れてるんだから。

それなのに、この人ときたら…

「ふふ、じゃあご飯にする? それとも…?」

なんて、小悪魔さながらの笑顔で俺を見つめてきやがる。

スイッチ…、入っちゃうよね?

乾き始めた前髪を掻き上げ、そこにチュッとキスを一つ落とすと、華奢な身体を抱き上げた。

「だから、俺は赤ちゃんじゃないってば…」

唇を尖らせて文句を言いながら、俺の首に腕を回してくる。

肩に預けた髪から、フワッと香ってくる甘い香りに、頭の芯がクラクラする。

「あ、それとも今日は赤ちゃんごっこ?」

「それもいいかもね?」

「…もう、ばか…」

自分で言っといて“ばか”はなくね?

寝室のベッドに下ろし、首筋に顔を埋めると、やっぱり甘い香りがして…

「やっぱり赤ちゃんの匂いがする」

「ふふ、翔くんも一緒だよ? 赤ちゃんの匂いするモン」

きっとそれは、智くんの匂いが俺にも移ったからだよ。

「やべぇ、眠たくなってきた…」

智くんの匂い嗅いでると、何故だろう…
睡魔が襲ってくる。

「ふふ、今夜はもうこのまま寝ちゃおうか?」

「そうする?」

「うん、そうしよう」

そんなこと出来るわけないのに…

ねぇ、そうでしょ?


だって、

こんなに甘い香りに包まれてるんだから…



おわり♡
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