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Sweet Life 〜僕らの甘い時間〜【気象系BL】

第54章 僕達のラストレシピ


「もし…もしもだよ? 人生最後の日が来る、ってなったら智は何が食べたい?」

缶ビールを傾けながら、和が僕の方を見る。

「何って…、そんなの分かんねぇよ…」

大体、人生最後の日…なんて考えたこともないんだから…

「和はあるの? その、“人生最後”って日に食べたい物」

僕に聞くくらいだから、和にはちゃんとあるんだろうな…

そう思って聞いたのに、和ってば…

「ない!」

気持ちいい程、きっぱりと言い切った。

「えっ、何それ…」

「いやさ、考えてもご覧なさいよ。人生最後なんてさ、考えられないでしょ?」

うんうん、それは僕も同感だ。

「そりゃさ、人はいつか死ぬんだけどさ、そん時の状況…っつーか、そん時に隣にいる人にもよんじゃないかな…ってさ…」

和の言う通りかもしれない。

人生最後の日…その最後の瞬間には、やっぱり愛する人との思い出が詰まった物を食べたい。

だとしたら僕は…

「僕、和を食べたい!」

「は?」

あれ…?
僕、何かおかしなこと言った?

ううん…、そんなことない。

だって僕は、人生最後の瞬間まで、和とキスしていたいもん。

「くくく、じゃあ俺も“智”ってことにしといてやる。但し、今だけな?」

「え〜、何それ…」

「だって分かんないでしょ? そん時に誰と一緒にいるか、なんてさ…。だから、そん時まで一緒にいられたら、俺は智を食ってやる」

もお…、ホントに天邪鬼なんだから…

でもいっか…

そう言って貰えただけで僕は…

「ずっと一緒にいようね?」

人生最後の日を迎える、その時まで…



おわり♥
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