第1章 ５色のランドセル

入学式当日ー


｢早く早く〜！｣

玄関先で、一張羅のスーツを着込んだ和が足をバタバタとさせる。

｢ちょっと待って…って、何でランドセル背負ってんの？｣

確か入学式だけだから、ランドセルは必要ない筈、なんだけど…(･_･;?

｢あのね、約束したの｣

｢約束、って…誰と？｣

まあ、答えは聞かなくても分かってるけど、一応ね(・ω<)-☆

｢んとね、潤くんと、サトくんと、翔くん♪｣

やっぱりか(;^_^A

｢皆ランドセル背負って来るって？｣

｢うん！ あのね、見せ合いっこするの。ダメぇ？｣

そんな可愛い顔して、“ダメぇ？”なんて聞かれたらさ、

｢分かった。いいよ｣

って、言うしかないじゃんか(;´д｀)ﾄﾎﾎ…

｢つか、急がないと…｣

入学式早々遅刻なんて、それこそシャレになんない。

揃って家を出ると、鍵をキッチリかけ、俺達は待ち合わせ場所に向かった。