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Sweet Life 〜僕らの甘い時間〜【気象系BL】

第48章 Please,don't…


さっきから何度もかけてるのに、一向に繋がらない電話。

まさか…違うよね?
そんなこと、あるわけないよね?
だって約束したから…
もう僕に隠れて会わないって…

お願い、電話に出て…

強く願いながら、スマホを耳に宛てる。

僕と彼を繋ぐメロディーも、もういい加減聞き飽きたよ。

だからお願い…出てよ…

自然と熱くなる目頭を、冷えた指先でそっと擦る。

だめだ…泣いたりしたら…

でもどうしようもなく流れる涙が止められなくて…

僕はスマホをちょっとだけ耳から遠ざけた。

その時だった。

『もしもし、智くん?』

彼の、少しだけ息を切らした声が聞こえた。

「も、もしもし…、翔く…ん…?」

泣いてるのを悟られちゃいけない。
きっと心配するから…

「ごめんね、忙しかった…よね?」

僕は無理矢理に明るい声を返した。

でも流石翔くんだよね…

『どうしたの、何で泣いてんのよ…』

ボクの下手くそな演技なんて、簡単に見破ってしまうんだ。

「会いたいよ…、今すぐ会いたい…」

無理だ、って分かってるのに…
あと数時間もすれば会えるのに…

でも会いたくて…抱き締めてほしくて堪らない。

『………………』

返事がないのは、“出来ない”ってこと…だよね?

「…ごめん、困らせるつもりじゃなかったんだ。だから…気にしないで?」

我儘を言って君を困らせたくない。
君に嫌われたくない。
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