• テキストサイズ

君と回る世界

第3章 ほんとの君は…?


叩いても蹴飛ばしても起きへん花を抱えて

店を出てタクシーに乗せたまでは良いもんの



こいつの家を

俺が知ってるわけもなく…



ひなに電話してみても

留守電になるし…




仕方なくひなの家の近くでタクシーを降りて

近場の公園のベンチまで

ふにゃふにゃ寝息を吐く花を抱えて

何とかたどり着き…



体力的に限界て

ガクガクする足でやっとベンチに座り込むと


隣に座らせた花の体が傾いて

俺の膝の上に花の頭が遠慮なく

乗っかってくる(笑)



何で俺が

こいつをストーカーから助けるだけやなくて

介抱までせなあかんねん!?



普通に考えて全部これ

ひなの役目ちゃうんか…?



まぁ…確かに


飲まれへんって言うてる花に

無理やりビール飲ませたけど…



たった一杯でこれて…



どんだけやねん(笑)



なんて俺の膝の上の

真っ赤なほっぺたをつついてみたら


息苦しそうに少し開いた唇から

"んっ…"なんて声と一緒に

吐息が漏れる…



…………あかんよ…俺。



これはあかんやつやで?



今俺の心臓

ヤバいぐらいドキドキしてしまってるよ?




今俺の膝の上で気持ち良さそうに

寝てんのはひなの彼女なんやから…



いくら独り身が寂しくても

これは絶対にあかんやつやぞ…?
/ 88ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp