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君と回る世界

第2章 変わり始める日常


村上side

一本の大きな桜の木と

青い小さなベンチがあるこの場所は


春になったら必ず毎年くる

俺だけの秘密の特等席で


メンバーやろうと友達やろうと

誰にも一切教えたことがなかった(笑)



でも今俺のとなりで桜を見上げて

嬉しそうに笑ってる花を見てると


誰かと秘密を共有すんのも

悪くないやん?


なんて思えてしまうから

困ったもんや(笑)



桜に夢中の花の手を引いて


「まぁ…桜見んのももええけど…

ここ座って弁当食おうや…?」



そう言ってベンチに座らすと

花は急に下を向いて



「でもお弁当ひとつしかないですよ…?

村上さんはもう来ないと思ってたから…」



なんて申し訳なさそうに

コンビニの袋を見つめる



そんな花の頭をくしゃくしゃと撫でながら…



「そんなことやろうと思って…

さっきちゃんと買ってきました(笑)」



そう言って自分が持ってる袋から

ペットボトルのお茶を差し出すと…



花は一瞬驚いた顔をしたあと




「ありがとうございます…(笑)」




そう言って


遠慮気味ににっこりと笑った…
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