【名探偵コナン】生まれ変わったら新一の姉でした。2
第4章 〜工藤優作の未解決事件(コールドケース)〜
椎奈「はい。おそらく10年前の父は、少年が良かれと思って取った行動が血文字を作って世間を騒がせていることから、彼が世間に傷つけられるのを避けるために敢えて何も言わなかったんだと思います。…あなたの推理も合ってますか?」
沖矢「ええ、一応は…。では、今回の血文字にあったあの細い線は何が使われていると思いますか?」
沖矢さんにそう聞かれ、私はそばに置かれた現場写真を手に取った
椎奈「現場の写真を見るに、タバコでしょうね。血に濡れてますし、肝硬変による静脈瘤破裂で蹲った彼の懐から落ちた財布がタバコを中心に小銭と財布本体に分かれてしまった。そして血が乾いた頃、通りかかった窃盗犯が財布と小銭を盗んで血文字が完成したってところですね。よって、この2つの事件は奇妙な偶然を重ねた完全な事故死ってわけです」
沖矢「なるほど。さすがは推理小説家の娘で、高校生探偵の姉ですね。何一つ間違っていませんよ」
椎奈「そうですか?」
私はクスクス笑って紅茶を一口飲んだ。すっかり冷たいけれど、喋りすぎた喉が潤ってくる
そのまま最後まで飲み干して、流し台にカップをつけた時だった
───ピーンポーンッ
どうやら、お客さんが来たようだ
ならばちょうどいい、話も終わったし今から帰ろうとなり、ユキを抱えた私は沖矢さんと玄関まで一緒に来た
椎奈「では、突然お邪魔してすいませんでした。今後もこの家をお願いします」
沖矢「ええ。ですが、夜道は危険です。やはり、僕がお客さんとの対応を終えるまで待ってもらって、僕の車で送った方が…」
椎奈「いえいえ、途中でタクシー捕まえて帰るんで大丈夫ですよ!」
沖矢さんの提案を笑顔で断り、私はサングラスをかけてからガチャリと玄関を開けた。すると、見覚えのある男性が目の前にいた
中居「椎奈!!」
椎奈「あ、努お兄さん…」
中居「やっぱりまだここに居たんだな。君のマンションに行ってもいなかったからもしかしたらと思って来たんだ」
「ちょうどいいタイミングみたいだね。俺が送るから帰ろう」と言って、彼が私の腕を掴んだ。そして、視線は後ろにいる沖矢さんに鋭く突き刺さった