【名探偵コナン】生まれ変わったら新一の姉でした。2
第13章 〜緋色編(交錯・帰還・真相)〜
ーーー第三者side
渋谷夏子の事件の翌日の晩、この家を任されていた沖矢昴はリビングでマカダミー賞の受賞番組を見ていた。テレビでは司会者の男が進行をとっていた
《では、まず助演男優賞から…。プレゼンターは雑念の受賞者・ジョニー・ビップさんです!》
ワアァァ!とテレビから歓声が聞こえた。と、その時───
ピーンポーン……
チャイムが鳴った。マスクを付けている沖矢はソファからのっそり立ち上がり、対応に出る
沖矢「はい」
?《宅配便です》
沖矢はそれだけ聞くと玄関に向かい、ドアを開けた。すると、そこにいたのは宅配業者の服装の者ではなく、安室透が立っていた
安室「どうも…。初めまして…安室透です」
沖矢「はぁ…」
安室「…でも、初めましてじゃ…ありませんよね」
ニヤリ、と常人ならすくみ上がりそうなほど怖い笑みを浮かべる安室だが、沖矢は少しも怯まなかった
安室「少し話がしたいので…中に入っても構いませんか?」
沖矢「ええ。大丈夫ですよ…」
*
その頃。椎奈のマンションの入り口付近は1台のベンツが停車していた
キャメル「ら、来葉峠?」
運転席に座るアンドレ・キャメル捜査官は、驚いた顔で助手席のジョディ・スターリング捜査官をチラリと見た
キャメル「赤井さんがやつらに殺された場所に、工藤椎奈さんを連れて今から行くんですか?!」
ジョディ「ええ…。行けば何か掴める気がするのよ…」
怖い顔でジョディがそう言うと、キャメルは「そうですか…」とだけ呟く。
静まり返る車内の中、彼らはただ目的の人物が現れるのを待っていた
ーーー工藤邸
家に招かれた安室は、紅茶を持って沖矢が現れるまでの間リビングのソファに座っていた
そして沖矢がリビングに入ったそのタイミングで、安室は切り出す
安室「ミステリーはお好きですか?」
沖矢「ええ…まぁ…」
安室「では、まずその話から…。ま、単純な死体すり替えトリックですけどね…」
沖矢「ホォー。ミステリーの定番ですね…」
沖矢は紅茶を机に並べると、自分も安室の向かいのソファに座った。そして、安室は話を始める