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【銀魂】夜兎地球放浪記

第2章 会いに行くから、お姉ちゃん。


ゴトンっと揺れゆっくり停止していく船。ターミナルと呼ばれる地球の建物にこの船ごと入っていくらしい。

それと同時に窓からは強い日差しが差し込んできた。やはり地球は太陽の日差しが強く夜兎にとっては地獄の場所かもしれない。私はそっとカーテンを閉めた。

なぜ妹はこんな星に来てまで働いているのだろうか...
未だ疑問だったが神楽の強さなら何かあったらまぁ大抵の事はどうにかなるか…。
とはいえ私も戦いは好きで、この船に乗る前は様々な星に喧嘩を売りに行っては破壊して、また彷徨いてを繰り返していた。が、強さは正直そこそこ程度だったため他の人には劣って見えていたに違いない。少なくとも、あの最強の家族の中では断トツで最弱である。


「みんな〜〜〜!地球!着くよ着くよ!!楽しみだねぇ〜〜!」

天井のスピーカーから大きな声ではしゃいだ声が聞こえてきた。相変わらずキャッキャと騒いでいるのはこの船の船長…もとい茉咲だ。


私が拾われた志節団(しせつだん)の団長であり、この船の船長でもある。

声だけを聞くと幼い少女のような甲高い声。そして見た目もどう考えても小学生。……実際の年齢は、この船の誰も知らない。
いつもノリと勢いだけで軽率な行動をし、船員を困らせるトラブルメーカーであり、その人望だけで、人を惹きつける。かくいう私もそんな船長に拾われ、救われた身である。


とはいえ、完全に個人の感想を船内の業務連絡スピーカーで流していいものなのか…。



だが、船員みな楽しみなのは間違いない。いつも回る星は貧乏だったり、侵略されたり、エイリアンにのさばられたりとで、手助けが必要な星ばかり。
ただ今回は、船長が縁のあるという地球にほんの少しの休息も兼ねた停泊であった。
しばらく働きずめの船員たちは皆今日を楽しみにしていた。



そしてこの私も。


大好きな、大好きな妹のため。



久しく会っていなかった父さんからの情報で、神楽は「万事屋銀ちゃん」なる場所に居候をしているらしく、あんな危険な星で干からびてるんじゃないかと思っているとヒヤヒヤしている。……と聞かされていた。だがそう語る父の表情はどこか寂しげで、地球に置いてきた娘を不器用ながら心配している父親の顔だった。

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