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【銀魂】夜兎地球放浪記

第2章 会いに行くから、お姉ちゃん。


朝8時。

既に準備を終えて、船を飛び出す準備の万端だった神恵は苦い顔を浮かべた。
なぜなら、容赦なく登ってくる太陽の日差しは今日も強く、倒れた日のような暑さになるのが目に見えていたからだ。
早く妹に会いたい気持ちと、この日差しの中外に出かけなくては行けないという気持ちがせめぎ合い、出した結論は陽の当たらない地下都市アキバにて用事を先に済ませるということだった。

神恵は神楽に会うというのが何よりの目的ではあったが、それ以外にもいくつか予定を組んでおり、そのうちの一つが、最近発売されたばかりの弁天堂Zwitchを手に入れることであった。
発売後、すぐに宇宙中で大ヒットしたZwitchは瞬く間に売り切れ、入手困難になっていた。そこで、何とか売れ残っているZwitchがないかを探すため、地下都市アキバにやってきたのであった。

『うーん…。やっぱり行き当たりばったりで買うのはさすがに考えが甘かったか…。しかもここどこ…。』

アキバの構造はかなり複雑で、方向音痴の神恵にとっては完全に迷路である。それも、神恵は気になった店を一軒一軒ふらりと立ち寄りまた違う店へと悠々と見て回っていたおかげで、本格的にアキバの中でもディープな地域に達してしまっていた。

「オイオイ。こんなところに天人様がお出ましかァ?」

キョロキョロと辺りを見回す神恵の後ろからぞろぞろとやってきたのは攘夷浪士の軍団だった。

「しかもコイツその白い肌と傘…宇宙最強の天人夜兎族様じゃねェかよ!こんなところで迷子とは、テメェらも落ちたもんだな。クククッ」

過激派攘夷浪士は皆侵略してきた天人を良く思ってはいない。それがただ観光に来ただけの神恵だったとしてもだ。

「…あちゃ〜。なんだかとんでもないところに来ちゃった感じ?」

神恵は面倒くさそうな表情をしながら周りをぐるっと見渡す。ざっと30人ほどの攘夷浪士に囲まれてしまったようで、雑魚相手とはいえどもこの人数をこの狭い道で相手するのは些か困難であった。

「ここに来たのが運の尽き!天誅!!」

やれやれと思いながら騒ぎは起こしたくない神恵と裏腹にいっせいに襲いかかってくる攘夷浪士。防戦一方に堪える神恵に救世主がやってくる。

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