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【銀魂】夜兎地球放浪記

第2章 会いに行くから、お姉ちゃん。


(No side)


神楽に引き止められた瑠樺。その心は神楽によって大きく動かされた。神楽の問いかけに対して、静かに頷いた瑠樺と神楽の間には気まずい時間が少し流れたが、新八がそれを遮断した。神楽ちゃんの知り合いなら、と瑠樺を万事屋に招き入れたのだった。


「…それで、なんでお前は神恵のことを知ってるアル。というかそもそも誰ネ、面見せるアル。」

そう言われて瑠樺はハッとしたように傘を包帯を取り始めた。自分の行動と、揺れ動いた心に少し動揺してしまい、人の家だと言うのに顔を見せることも忘れていた。

「…失礼しました。私は星々を巡る志節団という団の分団長をしている瑠樺と申します。以後お見知り置きを。」


万事屋のメンバーは皆拍子抜けした。声色や醸し出す雰囲気は明らかに恐ろしげな人間だったのにも関わらず、実際は表情こそ固いが見た目は愛らしい少女であったからだ。

挨拶をしながら素顔を見せた瑠樺。神楽よりも濃い赤髪は両サイドでツインのお団子にしており、右の前髪の横の触覚は三つ編みにしている。緑色の瞳は大きくとても可愛らしい顔つきだが、眉毛は下がっており、包帯を取った口角も下がっていた。


「志節団…って幕府が作ったあの外交集団ですか!?」

「何?そんなに有名なのこの人。」

新八は驚いたように声を上げた。それとは対に上の空な銀時である。

「銀さん知らないんですか?たまにニュースで出てるじゃないですか。開国から幕府が天人の技術を取り入れたりや親交を深めるために集められたというエリート集団ですよ!」

「…まぁ、今となっては困っている星を見つけたらお助けする、ただのボランティア集団ですがね。」

少し呆れた口振りで瑠樺は言った。名目上、志節団は新八の言う通り天人との交流を図って作られたものだったが、既に天人の技術などが発展した今の大江戸にはあまり意味の無いものになってしまった。行き場に困った団員達を見捨てずに星々を回り続け、せめて天人との親交を深めるという名目だけ続けよう動いたのが茉咲であった。


「お前の役職はどうでもいいネ。とにかく神恵との関係は何アルカ。」

バンッ!と居間の机を大きく叩き、瑠樺に怒鳴るように言いつけたのは神楽だった。

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