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~愛ではなく、恋~【ハイキュー‼】

第7章 〜小さな恋と、大きな愛 〜 (木兎 光太郎)




『朝、学校行った時
靴箱に綾ちゃんいたからさ、
俺、賢太郎に声かけさせたんだ。』

声かける、って…
小学生、こんな時、なんて声かけるんだ?

"今日、放課後、ヒマ?"
"ジュースでも一杯、どう?"的な?

パパはもう、
ワクワクしながら、話を聞いています。

『賢太郎、なんて声かけた?』

『え?そんなん、決まってるじゃん、
朝なんだから"おはよう"だよ。』

…なんだ、普通か(笑)

『そしたらさ、賢太郎、
"どっち?"って言われたんだって。』

"どっち?"というのは、
つまり、二人の違いがわからない、
…という意味らしく。

『そりゃまぁ、賢太郎も光太郎も
いつもお揃いの服、着てるしなぁ。
雰囲気の違いがわかるようになるのは
すぐには無理かもしれないと、
パパもちょっとは思うけど。』

『でも、助けてくれた賢太郎に向かって
"どっち?"ってさ、
そんなの、アイが足りないじゃん!』

小学生、風呂場でアイについて語る(笑)
…いやいや、笑い事ではありません。
子供こそ、愛情には敏感。
光太郎君は、
賢太郎君への愛に満ちてるからこそ、
こんなに怒ってるわけで。

『なるほど、わかった。』

ここまで聞いて、パパはやっと
ピンときました。

『違う髪型にすれば、賢太郎と光太郎の
区別がつく、ってわけか!』

『そう!』

きっと賢太郎君は
"光太郎、そんなことしなくていいよ"
…って止めたはず。

だけど光太郎君は
"賢太郎、心配すんな!オレに任せろ!"
…って早速行動にうつして、

そしてきっと、
ここ数日の大騒ぎに発展したんだな。

もうパパは、
親としての立場というより
男同士の仲間の1人として
二人の作戦を手伝いたくてたまりません。

『よし、わかった。明日から、
光太郎の髪はパパがセットしよう。』

『ホント?!…こんなギザギザでも?』

さっき自分で無茶にハサミを入れてしまった
ギザギザの髪の毛を触りながら、
光太郎君は心配そうにパパを見ます。

『あぁ、パパに任せとけ!』

うんっ、と頷いた光太郎君。

『でもさっきの話、ママには内緒だよ?』

『もちろん。男の約束だ!』

…そんなわけで、
パパが試行錯誤しながら生み出したのが
あの光太郎君のミミズクヘッドで、

その日から、そっくりな双子は
髪型で見分けがつくようになりました。

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