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~愛ではなく、恋~【ハイキュー‼】

第7章 〜小さな恋と、大きな愛 〜 (木兎 光太郎)




ザバーン、ザバーン…
ハデにお湯をかけあったり、

ウキャキャキャキャキャ…
泡をからだのあちこちに塗ったり。

パパと二人きりでお風呂に入るのは
なんだか遊んでるみたいで楽しくて、

さっきまでふてくされてた光太郎君も
いつの間にかすっかり、ゴキゲン。

二人で湯船に浸かってくつろぎながら、
パパはさりげなく、聞きました。

『光太郎は、賢太郎を守ってるんだろ?』

急にそんなことを言われて、
光太郎君はビックリ。

『パパ、すげぇ!なんで、わかるの?!』

『そりゃわかるさ~!
光太郎は、意味もなく
ママを困らせる子じゃない。

光太郎があんなに意地になるのは
大好きな賢太郎のためだからだって
パパにはすぐにわかったよ。

…なぁ、ママには内緒にしとくから、
パパにだけ、教えてくれないかな?』

『…』

それでも、
なかなか話そうとしない光太郎君。
小学一年生にして
この、頑固なまでの意地の張り方、
むしろパパはエライと思いました。

いつもは賢太郎君の方が
光太郎君をフォローすることが多いけど
やっぱり双子、お互いを思う気持ちは…

『お前ら、似てるなぁ。』

何気なくパパがそう言った時、
光太郎君は、キッとパパを見つめて、
そして、言ったのです。

『俺たち、そんなに、似てる?』

『え?あぁ、そりゃ、似てるさ。』

『…パパも、
俺と賢太郎、どっちがどっちか
わからなくなること、あるの?』

?!

『さすがにそれは、ないけど。』

『なんで?どこが違う?』

確かに
見た目はそっくりな二人ですが、
生まれたときからずっと見てる親。
間違うことはあり得ません。


あぁ、なるほど。


『…それが理由なのかな?』

『…』

光太郎君のヘアスタイル騒動は、
どうも、そのあたりが原因のようです。

『なぁ光太郎、パパに教えてくれよ。
男同士の内緒話、約束は守る。
パパ、光太郎の力になりたいんだ、な!』

両手を合わせて頼むパパを見て
ちょっと考えていた光太郎君。

ザブン、と頭からお湯に潜って
しばらくするとガバッと顔を出し、

『じゃあ、話す。
でも俺がパパに話したってことは
ママには絶対、内緒だよ。
これは男の約束だからねっ!』

とパパと指切りをして、話し始めました。



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