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~愛ではなく、恋~【ハイキュー‼】

第6章 ~恋と恋の、あいだ~(松川 一静)




『じゃあ俺は、まっつんと彼女が
心置きなく付き合えるように、』

及川の次の言葉を聞いた瞬間、


『この及川さんが、』


身体中の血液が逆流するような、



『綾さん、もらうよ。』



…心臓が
3倍くらい、膨らんだような気がした。


『…っ、ざけんな!』

考えるより先に、体が動く。

グッ。

振り下ろした拳を、及川が受け止めた。

『ちょっとー、まっつんらしくないよ!
岩ちゃんじゃあるまいし、暴力、反対!』

『ぅっせぇ…
お前が…はぁ…チャラいこと、
…言うからだろ、クソヤローがっ!』

頭に血が上ってる俺に比べて、
及川は、なぜか、冷静で。

『…まっつん、自覚した?』

『あ?何をだよっ!』

『俺に彼女を取られるかも、って時は
そんなに腹、たてなかったじゃん。
それが綾さんってなった途端に
急に拳まで振り上げてさぁ、』

『…』

『失いたくないのはどっち?って話。』

失いたくないのは、どっち?

『そりゃ、俺とまっつんは
もともと性格もキャラも違うけどさ、
やっぱ男だし、
性に目覚めた高校生だから、』

掴んだ俺の手をそのまま下ろしながら
及川は、なだめるように、言葉を続ける。

『告白してきた相手のこと、
特別好きじゃなくても、
嫌いじゃないからつきあう、ってのは
トーゼン、ありだと思うよ。だけど、』

年下の、彼女。

体育館に来るほとんどの子は
及川か岩泉が目あての中、
俺に告白してきた、初めての子。

大騒ぎしながら手作り弁当作ったり、
かわいい下着で俺に処女くれたり、
ヤキモチ妬いて尾行してきたり、
心配して及川に相談したり。

高校生らしい、一生懸命な子。

『だけど、』

だけど。

『やっぱ男にとってさ、
なかなか手に入らない、とか
こっちが追いかけたくなる、とか
AVみたいなシチュエーション、とか
そういうのの魅力も、
俺はすっげー、理解できちゃうから。』

綾ちゃん。

母の親友。
久しぶりに現れて、突然いなくなって。
余裕があって、甘えさせてくれて、
俺のよく知らない過去の傷に
時々、涙を流す弱さもあって。
セックスも料理もすげー上手で。
俺を待っててくれてる気がするのに、
あと一歩の理性で我慢してる感じ。

『だからさぁ、まっつん、』


…俺は、どっちが、大事?



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