第13章 わっちの心は雨〜家康〜
ここは、
京都の通りにある『女どもの店』さ。
わっちは、そこの1番の女。
「紅音姐、今日の着物はこんなんでいいでやんすか?」
「おゆき、うん。ちゃんと、藍色の着物だね。いいよ。」
わっちの弟子は、合計10人。そのうち、まだ『されていない』のは、3人。
おゆきは、その中の一人だ。
「おゆき〜!お菓子あるよ〜!」
「小夏?今行くー!」
小夏も、最近来た子だからまだ『されていない』はずだ。
「紅音姐も行きますか?」
「わっちは、ここにいるよ。わっちの分も食べていいよ。」
「ありがとー!紅音姐!」
おゆきは、部屋から出て行った。
わっちは、一人、
煙管を片手に雨の京都を見ていた。