第1章 Linaria~この恋に、気づいて~
私がお世話になった病院を眺めながらトリップの事を考えていると、遠くの方で私を急かす声がした。
「あ、ハイ!すみません!!」
私を呼ぶのはパトカーの屋根に肘を置きながら煙草を吸う土方さん。
何してもイケメンはイケメンのまま。
んな事はいいか。
行くところのない私は土方さんのプロポーズ紛いな話に乗り、屯所で女中としてお世話になる事になった。
「じゃ、行くぞ…」
私は元気良く返事をし、パトカーに乗り込んだ。
「よォ、ビッチ。俺もいまさァ…」
「げっ…」
あぁ、一つだけ変わった所があったんだ。
それは私の瞳が水色に近い緑になっていた事。
この事に意味があるのか無いのかは解らないけど、きっとこれからの事に繋がる、そう感じるんだ。
何はともあれ、あっちの世界で死んだ私には帰る場所何て無いのだから、助けてくれた土方さんの為、私を受け入れてくれたこの世界の為に、第二の人生として始めようと思う。
「着いたら覚えておけよ…くそビッチ」
終わりしか見えないのは気のせいかしら…?