第11章 きゃらめる
「翔くん?そんな可愛い格好してどうしたの?」
自分が女装していたことを忘れていたのか
ポッと耳まで赤くした翔くんは
俯きながらこう言った。
S 「あのね・・さとしくんと手を繋いで
デートしてみたかったの。
この間ね松潤に相談したら知り合いの
ヘアメイクさんを紹介してくれて。
それで今日連れて行ってくれたの。
やっぱり・・変だよね?」
松潤に相談か・・そこに引っ掛かるおいらは
小さい男なのか。
無言になったおいらに不安になったのか
走って廊下に飛び出した翔くんを必死で追い掛ける。
「翔くん!!待って!!」
ギュッと腕を掴んでこちらを向かせると
目に大粒の涙を溜めていた。
「翔くんゴメン!!あの・・本当に可愛いよ
・・あのね・・やきもちなんだ・・
こんな可愛い翔くんを松潤に見せたんだろ?
おいらの翔くんなのに・・」