第4章 ~くるり、くるりと悠久の輪廻~
【漆】
「佐助ぇぇぇっ!!」
何処に居るでござるかぁぁぁっ!!
某は佐助を探し城中を駆け巡る。
西に向かったのは知っているのだが帰りが遅く、某が頼んだ甘味が待ち遠しいのだ。
暫く探していると普段使う事のない客間から佐助の気配がしたのだ。
「…む」
某はその客間の障子を遠慮なしに勢い良く開けた。
「此処でござったか、佐助ぇっっっッっ!!」
「え…?」
「は、破廉恥でござるあぁぁぁぁっっッ!!!!!」
どうしてこうなった。
「あは、ごめんねー」
旦那に伝えるの、忘れてた。
「…っ、こ、のっ阿呆がっ…」
マジで死んだ、私の耳…。
いつの間にか気を失っていた。
確かに私はアイツに斬りかかったんだ。
だけどその後の記憶が曖昧だった。
起きた時には知らない天井と猿飛佐助の顔。
「あは。おはよう、名前ちゃん」
ブチっ。
何か色々ムカついたので顔面に一発喰らわせたのは言うまでもない。
「…アンタがいるって事は」
此処は甲斐かと私は痛む拳を擦りながら猿飛佐助に問う。
「イタタタ…そうだよ」
私が殴った頬を押さえながら答える。若干涙目になっているが私は絶対に謝らない。
絶対にねっ!
「何故私が此処に居るかは何となく解るから聞かない」
確かに真田幸村は西軍にとっては必要不可欠な存在だ。
だけど、私は此処で世話になるつもりはない。
「特に、アンタ」
私は猿飛佐助を睨みつける。
" アンタなんか、嫌いだ "
そう言葉を続けようとしたんだ。
「…っ!」
だけど、言えなかった。
多分本人は気付いていない。
自分がどう言う表情をしているかだなんて…。
「申し訳ございませぬッッッ!お許しくだされ!うぉやかたさぶあぁあぁぁぁああぁぁっっッ!!!!」
ズコンっッッ!!!
どうしてこうなった…!
本日二回目のセリフ。
第一章から第四章までお世話になっています。
てか、何コレ。
マジで真田幸村様コワいんですけどぉぉっ!?