第3章 ~ひらり、ひらりと久遠の破片~
【※fifty-first.】
「は、半兵衛…さま…?」
そしてそのままゆっくりと膝が折れ地に倒れ込む。
「半兵衛様ッッ!!!」
私はすぐさま駆け寄り半兵衛様の身体を抱き起こした。
「済まない…三成君…」
こんな事でしか導けないだなんて軍師失格だ、と半兵衛様は申し訳なさそうに微笑む。
「半兵衛、様…これは…」
一体どう言う事なのか。
苦しそうに咳込み、咳をする度に激しく舞う赤い鮮血は、私達の刻も呼吸をも止めた。
「三成君…時間がない…」
そう言った半兵衛様は彼女と話しがしたいと仰った。
「しかし半兵衛様…名前、姫様は…」
私がそう言うと、半兵衛様は誰も居ない荒れた地に視線を向けて言葉を放った。
「…居る、んだろう…出ておいで…」