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【戦国BASARA】闇色夢綺譚 ※R18

第3章 ~ひらり、ひらりと久遠の破片~


「やれ、三成はどうした…」

ワレは中国は安芸を統べる毛利元就の元を離れ、久方振りに佐和山城へと戻った。
その事を伝える為、三成の元を訪ねたのだが、部屋も、執務室も何処にも姿が見えぬ。


はて、三成は何処へ行ったか。


三成を探しに庭へ向かうとヒナギク…ハァ、未だに慣れぬが致し方ない…。
姫、殿と顔の色を青くさせ表情をくるくると、忙しそうにしている左近を見つけ、ワレは二人にそっと近付き左近の耳に息を吹きかけた。


「ぴゃぁぁぁぁぁっっ!!!」

「!?!?!?」


ヒッ…。
想定内よ、ソウテイナイ。
左近の叫び声に驚く姫殿がまた愛らしいナァ。

ワレの悪戯が成功し、満足した所で二人に本題の三成の居場所を聞き出すとしよか。



「はて、三成の姿が見当たらぬが…」

そう問うと二人の気配が変わりよった。

すぐさま左近は何時も通り何でもないと答えたのだが…
ヒナギクの雰囲気がまた…。

「姫殿が居ると言う事は」

ワレはそう言い左近を見遣ると溜息と共に賢人はまだ戻られていないと。

ついで三成も何処かに消え去ったと左近が白状しよった。

ヒッ…三成の事よ。
姫殿に悪戯をしかけたのは良いが、収集付かなくなり逃げよったか。
それとも、迷子にでもなったか…。

はぁ、早急に三成を連れ戻さねばならぬナァ。
ワレが此方へ戻って来てから何やら生温い風が吹きよる。

今までに感じた事のない、生温い風。
人の不幸は好物よ、コウブツ。
だが、三成や姫殿に不幸の星が降り注ぐのは、頂けぬ。

はぁ…ヤレ、ヤレ。


「世話のやけるやや子を迎えに行くとしよか」



さて、三成の元へ参ろう。
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