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【イケメン戦国】✿ 永遠の恋〜華〜 ✿

第5章 甘美な罠(徳川家康/甘々)


迦羅の膝は思ったよりも温かく、しっくりくる。

「ちゃんと布団で寝たほうがっ…」

あー恥ずかしがってる顔も可愛い。
本当は嫌じゃないこと、知ってるんだからね。

俺は言うことを聞かずそのままの格好でいる。
「…もう」
唇を少し尖らせながらも、何処か嬉しそうな迦羅の声。
布団を引き寄せて俺に掛ける。それから優しく俺の頭を撫でた。

迦羅の温もりを感じていると、また瞼が重くなってくる。
不思議と心に幸せが湧き、薄い笑みが浮かんだ。

「おやすみ」

囁く迦羅の声が聞こえ、それから瞼に柔らかな唇の感触が降る。そこから、記憶が途絶えたー。



どのくらい眠っていたのか…
目を覚ますと、俺はきちんと布団に横になっていた。
首だけを動かし辺りを見回すが、そこに迦羅の姿はない。

やっぱり、気を遣って帰ったかー。
何となく寂しさを感じて小さく溜め息をつく。

すると、静かに襖が開かれる音がして顔を上げる。
膳を持った迦羅が、安心したような顔で、目覚めた俺に目を向けた。
「起きたんだね、ちょうど良かった」
そう言って布団の横に膳を置く。
「身体、起こせる?」

ゆっくりと身体を起こすと、置かれた膳からほくほくと湯気が上がっていた。迦羅はひと匙それをすくうと、ふぅふぅと熱を飛ばし、俺に差し出した。珍しく照れもせず、どうぞ、と俺の口元に匙を運ぶ。
優しい味の玉子粥ー。
俺を心配する気持ちが目一杯つまっている。

悪戯心で甘えてみたつもりだったのに、どうしてくれるの。
こんなにも、あったかくてくすぐったい気持ち…

迦羅に促されるまま粥を食べ終えた。
「ごちそうさま」

「少し、顔色良くなったみたいだね」

俺の気持ちも知らないで、迦羅がその愛くるしい笑顔を向ける。どうしようもなく熱のこもった感情が隠しきれなくなる。

ぐいっ、と強引に迦羅の身体を引き寄せて布団に組み敷く。
「あ、…っ」
突然のことに戸惑う迦羅を無視して、襟元に手を滑らせながら、額に、頬に、耳に、首筋に、口付けの雨を降らせる。
「ま、待って…っ、んっ」
小さく抵抗をされるけど、やめるつもりはないよ。
こうさせるのは、全部迦羅のせいだから。


このまま朝まで…俺の我が儘、聞いて。






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