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【黒執事】壊れた貴女を看取るまで

第10章 綺麗な白色


「セバスチャン。私は誰のために生きているの?」

マーガレットは死んで私との勝負に負けたはずなのに私が負けた。
銃が手から滑り、水音を立てながら血の上に跳ね返って落ちる。
私の両目からは涙が溢れて止まらなく、頰を、顎を、首を伝っていく。

「答えて、セバスチャン」

私はセバスチャンの襟を掴んだ。
セバスチャンは苦々しく青虫でも見つめるような顔でこう言った。

「私はその答えを知りません」

私の欲しい言葉じゃなかった。
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