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【黒執事】壊れた貴女を看取るまで

第9章 牙


「まあ、普通の水ね」

聖水を飲み干したら一斉にみんなが座り、牧師だけが教壇の上に立っていた。
マーガレットと似た髪色に柔らかい緑の草原を思い出させる瞳の色。牧師という役柄がとても似合っている。

「本日はお集まりいただきありがとうございます。私の名前はジル・クリスチャンと申します。以後お見知り置きを」

周りにいた女性たちが感嘆のこもったため息を各地でもらす。たしかに整った容姿と柔らかそうな物腰はそこらへんにいるものとは違う魅力があった。
ジルの自己紹介のあと、ジルによるお話が始まった。
長すぎて私は何度か居眠りをしかけたが、要約すると白は神聖なる色で誰にも穢せない色である。白を着れば誰でも神に仕えることが出来る。
ということであった。
白を尊重するだけあって教会の内装も全て一点の曇りのない白で統一されていた。
ぼんやりとジルの後ろにあるステンドグラスを見つめていたらお話はどうやら終わったようで、人々が立ち上がり、帰る者もいればジルと話す者もいた。

「どういたしましょう。この教会からはなにも気配を感じませんが…」

「まだ決めつけるには早いわ。あ、マーガレットさん!」

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