第18章 くりすますをあなたと(三成)
オマケ
「うぅ…寒い。政宗、一体どこまで連れて行くんだ…」
『もうすぐ着く。なんでそんな薄着で来たんだよ』
「お前が急に御殿に来て、ちょっとそこまで付き合えって言ったからだろ。
こんなに歩くなんて聞いてないんだよ」
『全く、秀吉はその小言がなければ本当にいい男なんだけどな』
「男にいい男と思われても嬉しくない」
『はいはい。ほら、ついたぞ。あれだな、くりすますつりーってやつは』
「へぇ、凄く綺麗じゃないか。あれを三成が愛の為に作ったって?」
『あぁ。佐助と一緒に作ったらしい』
「佐助って、上杉の忍びのか?何も報告受けてないぞ」
『まぁまぁ、くりすますにそんな目くじら立てるなよ』
「まぁ、今回は愛に免じて許してやるか…」
『本当にお前は愛には激甘だな…』
「そりゃぁ、あれだ…かわいい妹だから…な」
『妹ねぇ。まぁあいつは三成にゾッコンだから、仕方ないけどな。
ほら、可愛い妹が作った《くりすますけーき》持って来たからくおうぜ』
「この寒空でか?!」
『くりすますってのはそう言うもんらしいから仕方ないだろ。ほら、もう切ってきたから』
「あぁ…。うん、これは美味いな。流石は愛だ」
『お前、ゲンキンなやつだな…』
「でも、政宗…」
『なんだよ』
「くりすますってのは、光る木を見ながら…野郎二人が甘味を食べるものなのか…」
『・・・・・』
「・・・・・」
『よし。帰るか』
「とことん勝手なやつだな…」
オマケ 終