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イケメン戦国★センチメンタルLOVE

第13章 忍びの庭 終章


夕刻、大々的に宴がはじまる。

広間の襖は開け放たれ、何個部屋が連なっているのかも検討もつかない。
上座には、晴れ着に着替えた信長をはじめ、秀吉たちも愛の仕上げた着物で
きっちりと着飾っていた。

(やっぱり、こうやってちゃんと着てくれた姿見られてよかったな…)

朝と同じように信長の隣に席を置く愛からは、
圧巻の武将たちが否応にも目に入る。
その姿は、普段からはあまり見られない煌びやかなものだった。

にこにこと笑顔の愛に、宴の列席者の視線が集まっていることも気づかない。

(あれ?政宗はいないのかな?まだお料理してるのかな…)

そんな事を考えていると、女中を引き連れて一際大きな皿を持ってくる政宗の姿が見えた。
いつもの着物に襷をかけて、手際よく前の方に並べていく。

『信長様、料理は全て揃いました。いつでもはじめて下さい』

政宗が信長に告げると、

「わかった。ご苦労だったな。早く貴様も着替えて来い」

そう促した。

(そうだよね、晴れ着じゃ流石に料理は難しいよね)

信長の掛け声で、年に一度の、愛にとっては初めての宴が始まった。

広間中に、賑やかな声が響く。
まるで、戦国時代と言うことを忘れてしまうくらい、其々が笑顔で酒を酌み交わし、
料理に舌鼓をうつ。

信長や武将たちの前には、一つ酌をしようと、また長い列が作られていた。
愛も、三成と家康に挟まれ、午前中ほどではないが、色々な挨拶客に対応する。

『愛様、とても良いものが仕上がりましたね』

その中には、みよしのの主人の顔もある。
とても嬉しそうな笑顔で

『やはり愛様の腕は相当なものですね!
今日は拝見できて本当に良かった。
そのお着物も大変似合っておいでです。流石ですね、三成様』

そう声をかけられて、三成はほんのり頬を染める。

「え?これ、三成くんが選んでくれたの?」

すると、何故か家康が、はぁ…とため息をつく。

『絶対俺が選んだ方が愛に似合ってたと思うけど…三成が凄く強情だから譲った』

面白くなさそうに言う家康。

「そうだったんだ…。ありがとう三成くん」

愛は純粋に嬉しくて三成に礼を言う。

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