第3章 3:さにわのむかしばなし
政府もそこんとこは反省したみたいで、
今みたく職員さんが通ってくるようになったんだよ。
あと、本丸から外にも出やすくなった。
それから、審神者の招集方法もちょっと変わってね。
最初は「霊力があるやつは片っ端から!」って感じだったんだけど、今は精神的な適性とコミュニケーション能力、つまり実務の方面も重視されるようになったみたい。
実務が大丈夫なら、多少霊力に不足はあっても、他の審神者から力を貸してもらって本丸を運営できるしさ。
あと、その選ばれ方をした人は、戦争に対する心構えとか知識、男士との接し方、精神の健康維持の方法とか、
勉強と見習いっていう実務研修を一通りやって、慣れてから自分の本丸を持てるようになったの。
え、逆はどうかって?
霊力だけはやたらあって、適性は無い人?
ああ、そういう人達は、教育してもブラックになる確率の方が高いからね。
自分が絶対正しいって信じてる人は横暴になるし、
自分に過剰に自信がない人は、男士とズブズブの共依存になるし、
男士と人間の区別がつかない上、コミュニケーションに難がある人は、戦わせるうちに精神が潰れちゃうし。
ああ、今回の元ブラックの審神者はそのタイプかな、戦わせないようにしてたね。
自我が薄くて、男士を神様扱いしすぎる人は、最終的に男士が調子ぶっこいて暴走しちゃうから、そっちも適性には難あり、って感じ?
最初から教育しても無駄でしょ、ってことで、
元ブラック本丸を処分するまでの一時しのぎとして、放り込むことにしたみたい。
「立て直して!」って名目で釣って、実際のところは期待とか最初からしてないから、何も教えないまま、ポイッとね。