• テキストサイズ

【HQ】虹色の青春

第2章 sunny






「昨日はごめん。寒かったでしょ。これお詫び。」


男バレの朝練が終わった頃
西谷くんに手袋を返しに行った。
それとホッカイロ5個くらい。


きっとまだ寒い日は続くから。

かわいい手作りお菓子じゃなくて
ごめんねなんて思いながら。


「え、お詫びなんて!俺当たり前のことしただけなんで!」


「女の子からの差し入れ無駄にするの?」


我ながらいいアイデアだと思った。

案の定、渋々受け取ってくれた。


用が済んだから私は教室に戻ろうとした。


「椿さん!ありがとうございました!!!」


「うん。バイバイ。」



さすが運動部
挨拶はさすがと言った感じだった。




嬉しそうだったな。

あんな顔見ておいて
ほんと私って最低だ。






「椿。」


「ん?」


後ろから話しかけて来たのは清子だった。

相変わらず美人だなあ、なんて思ってた。


「椿って好きな人変わった?」


「‥‥いや、変わってないよ。」


「そう。」


少し不安そうな顔してる。
清子は本当にいい友達だと思う。

きっとこんなに心配してくれるのは清子しかいない。



私が告白したことも
未だに返事を貰えてない事も清子は知ってる。




「ありがと。」


「?」


清子のキョトンとした顔かわいくて好きだなー。

こんなに可愛かったら美人だったら
なんか変わったのかな?







結局、朝から放課後になるまでそんなことばっかり考えてた。







私は大学への受験を希望してるから
教室に残って勉強していた。



私が帰る頃には
ほとんどの部活が終わる時間になってた。




西谷くんや、清子に会えるかなって思いながら昇降口に向かった。


清子はともかく
西谷くんに会いたいなんて
思わせぶりにも程があると自分でも思った。






「椿さん!」

私の名前を呼ぶその声が嬉しかったりする。


「ん?なに?」


嬉しいことに気づかれないように
少しでも思わせぶりな態度を取らないように気をつける。


今更だけどね。



「一緒に帰っていいですか⁉︎」


「え?やだ。」


「‥‥ 。」


そんなあからさまに残念そうな顔しないでよ。



「嘘だよ。帰ろ。」




やっぱり私、最低だ。


/ 135ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp