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【HQ】虹色の青春

第1章 cloudy









あーあ、行っちゃった。


せっかくツーショット撮れたと思って喜んでたのに‥

こんなことで喜んでたのが馬鹿みたいじゃん。






どうせなら見えないとこまで行けば良いのに‥‥


なんで?


わざと見せつけてるの?









‥‥ そんな訳ないか。











研磨がいなくなった後
本当は告白してしまおうかって思ってた。
例え振られても長かったこの恋を終わりにできるかもって、





でも、声をかけようとした瞬間。


クロは用事があるって言って走ってった。




もう走って行った背中を見て
私は頷くことしかできなくて





でも、頷いたことは気づいてもらえなくて、















そして、その用事は彼女の元へ行くこと。




だから、私を見てもらえるはずがなかった。












認めざるを得ない。

2人がお似合いだってこと。






だって、今、目の前で
寂しそうな笑顔で笑いあってて




クロが彼女を抱きしめて


周りに冷やかされて


でも幸せそうで











それに比べて
私は告白のチャンスすら掴めないままで

ただ1人で舞い上がって何も行動しなかった。





見てたはずのものが、場所が、
全部ぼやけて見えて



その理由がすぐにわかったから
目を閉じて溢れる前に蓋をする




目を閉じても2人を祝福する声は聞こえるし
耳を塞いでも、さっきの2人の姿を思い出してしまう。




辛くて、苦しくて、寂しくて





蓋をしたはずの想いが溢れてきて


もうそれを止めることはできなくて


溢れた想いが制服の袖に、染みをつける。










さっきまで隣にいたはずなのに
今はもう誰もいない。



いや、元から誰もいなかった。



クロが優しすぎるから
隣にいてくれるって勘違いして








本当、馬鹿だな。








もっと前に諦められたならこんな想いはしなかったのかな‥


















私は卒業の涙に紛れて泣くことしかできない大馬鹿者だ。








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