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【ハイキュー】ウシワカイモウト第三部

第13章 ・牛島兄妹、双子と邂逅 その1


気が進まなかったが土地勘のない所で1人ウロウロする事は出来ないのは元よりわかっていたことだ。
文緒が大人しく若利に手を引かれて歩きだそうとしたその時である。

「誰このロリ。」

宮兄弟の銀髪に染めた方が口を開いた瞬間、少女は反射的に声を上げていた。

「私はドローレスではありませんっ。」

途端張り詰めていたが緩み、宮兄弟は揃ってポカーンと呆けた顔をした。


とりあえずでかい1名とイケメン双子と年齢不詳の目立つ4人は揃って近くのファーストフード店に入っていた。

「まさかここで牛島君に会うって思わんかったなぁ。」

宮兄弟の金髪の方がカラカラと笑う。他の客の視線などどこ吹く風といった風だ。

「めっちゃラッキーやん、なぁサム。」

サムと呼ばれた銀髪の方はせやなと頷き、再び金髪の方が話し出す。

「俺等は休みで遊びに来たんやけど牛島君はどないしたん。」
「母親の用事に付き合って来たのだが途中で観光してきていいと言われてな。」
「へー。」

金髪の方は言ってニコニコしながら若利の隣で静かに甘味を食している文緒を見てきた。
何だか初めて及川さんに会った時を思い出すなと文緒は思う。
確か及川も初めて会った時に興味津々といった様子で自分を見ていたと記憶している。

「で、」

金髪は言った。

「ロリの嬢ちゃんは何モン、親戚。」

文緒は一瞬甘味をすくっていた匙を止めた。親戚と思われてしまうのは仕方がないと片付けられるのにロリという言葉はどうしても聞き流せない。

「先にも申し上げましたが私はドローレスではありません。」
「ハ。何やえらいすました嬢ちゃんやな。」
「あら、心外です。」
「妹の文緒だ。」

少々喧嘩っぽい空気になった所を見かねたのか単に間違いを訂正したかっただけなのか若利が口を挟んだ。
途端に宮兄弟は目を丸くしたかと思うと互いの顔を見合わせる。

「なぁツム。」
「せやなサム。」
「来たでこれ。」
「もしかしてあれちゃうん。」
「おう、あれやあれ。」

そうして2人で何やら勝手に納得したのちサムと呼ばれた方が文緒をピッと指さした。

「自分あれやろ、あの動画で抱っこされとった。」

たちまちのうちに文緒の頬が紅く染まった。
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