第10章 大丈夫
「名前大丈夫なの?」
「無理しなくていいんだぞ?」
週が開けて月曜日、今日から学校に行く私を未だに心配そうな顔をして見送る2人に笑顔を向けた。
「大丈夫だって!それじゃあ行ってきまーす!」
閉まった玄関にフッと息を吐いて前を向く。
ずっと休んで家にいたせいか太陽を久しぶりに浴びた気がする。
何人もの学生が通る中に混じって音楽の流れるイヤホンを耳につけた。
「名前っあんたもう大丈夫なの?」
「熱も下がったし全然大丈夫だよっ心配かけてごめんね?」
教室に入れば待ってましたと言わんばかりに美結ちゃんが駆け寄ってきた。
まだリエーフは来てないから朝練かな?
久しぶりに席につけば美結ちゃんの目がキラキラと...
「で!?」
「.....で?」
「.........ん?...じゃなくて黒尾さんのことよ!知り合いだったの!?どういう関係なの!?」
こんなにテンションの高い美結ちゃんは初めてだ...。