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フォンダン・ショコラ【ハイキュー!!】

第2章 この腕の中の君 ※【黒尾鉄朗 続編】



私の姿を見つけて片手を上げると、ニコリと歯を見せて笑う。

「おーっす。お疲れー」

Tシャツにジーンズにスニーカー。
ラフな格好なのに、すごくカッコいい。
仕事帰りのスーツ姿も素敵だけど。
気を抜くと、あっちの姿は色気に当てられそうになるから少し困る。


「お迎えありがとう」

「どういたしまして。歩いて10分くらいだから」

「うん」

「梨央」

「……何?」

「それ、持つわ」


てっちゃんは私のお泊まりセットが入ったバッグを、ひょいっと奪う。
パジャマに化粧品、明日の着替え、下着。
そんなに荷物は多くないけど、素直に甘える。

「ありがとう…」

片手で私のバッグを持ちつつ、てっちゃんは反対の手を私の指に絡めた。


付き合い始めたあの日から、電話で声しか聞いていなかった。

顔を見て話せることが嬉しい。
こうして並んで歩けることが嬉しい。
手を繋いでくれて嬉しい。
私を「梨央」って呼んでくれることが嬉しい。


すごく、会いたかった。






「晩飯、カレー作ったから」

「ほんと?ありがとう。てっちゃん料理するの?」

「あんましない。カレーなら失敗しねぇだろ?」


私の手なんてすっぽり包んでしまう、てっちゃんの大きな手。
手を繋いでいるだけで、ドキドキしてふわふわして。
今顔を見られたら、少しマズイ……。



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