• テキストサイズ

威 風 堂 々【文豪ストレイドッグス】R18

第3章 汚く濁っても





「やあ。

ご苦労様。終わったのだね。」


執務机に両ひじをついて組んだ両の手の上に顎を乗せ
森殿が怪しげににこりと笑う。



人を食った笑みというのは、どうにも同族嫌悪を感じさせて
妾の得意とする類ではない。


かと言って、不得手というわけでもないのだが…。




「…真綿君? 何か、懸念することでもあったかい?」

黙った妾の顔を一瞥し、森殿が小首をわずかに傾げた。


話の筋は、ことこの2人の間ではとうに吹っ飛び
第三者の理解を待たない方針だ。



「ふむん……
嗚呼、どうにもきな臭い。」


妾の隣には中也がいて
眉をひそめ、こちらを窺う。



「わあ〜……
そういう時の真綿君の予想に間違いはない。
判った。警戒を強化させようか。」



わざとらしく笑む森殿のそれは、征服者の笑み。

あくまでも自身の配下のために、という時の笑み。




森殿に直接 降りかかる危険ではないからだ。


この妾がここにいる。

そのことだけで戦況は変わる。



「真綿君は 頭脳労働担当だものね」

「ハ。」


森殿のその言葉に、ついつい嘲笑めいた声が出た。

だって呆れてしまう。



いつだって人間は他力本願。


「森殿のためでなければ、妾は働かせる頭脳など……
持ち合わせていないがね」


暗殺者は保有者を裏切らない。

それが、暗殺者の矜持だ…




/ 686ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp