第5章 練習だから...ね?

まず、初めてを好きな人に捧げないというのがおかしかった。

神谷さんが好きなのに、じゅんじゅんの話に負けて初めてをあげて...今思うとホントにバカ。


じゅんじゅんは、僕の“初めて”という言葉を気にしてくれたのか、とても優しくしてくれた。

おまけに気持ちよくて、きっとこれなら神谷さんも...。


なんて考えちゃったり。

きっと僕よりもじゅんじゅんの方がお似合いな気がする。


おかしいな...僕こんな自己嫌悪な人間だったっけ?




「小野、今日はありがとう! 神谷さんのこと...何かごめん。」
そう謝ると、じゅんじゅんは僕の家をあとにした。



神谷さん、会いたい...。
じゅんじゅんのせいで、そんな気持ちが強くなるのを自分自身感じた。

じゅんじゅんのこと、応援するって決めたのに、
やっぱり神谷さんのことを諦めきれない自分がいた...。