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台風のような貴方

第1章 台風到来


校内には既に人の気配がなく、雨の音と私の靴音しか聞こえない。
私は静かで落ち着く雨の音が好きだった。勿論晴れの日も好きだけど。

部室に着くと、まだ朔間先輩が残っていた。

零「おや、嬢ちゃんどうしたのかや?はて、嬢ちゃんの忘れ物などあったかのう…。まさかとは思うが、仕事関係の物を終わらせたいとかかの?」


図星だった。


零「まったく嬢ちゃんは…。我輩が休めと言ったばかりなのじゃが……ふむ、良いことを思いついたのじゃ」


再び零さんの瞳が紅く輝く…なんだか嫌な予感がして反射的に後退れば、逃がすまいと両手を捕まれて、そのまま頭上で拘束されてしまう。


零「さて、悪い子には先の続きでお仕置きをしないといけないのう…」


そう言って零さんがニヤリと笑えば、まるで本物の吸血鬼のように尖った八重歯が覗いたのだった。
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