第3章 消えない恐怖
ここ数日ほぼ毎日のように雨が降り続き、梅雨に入ったようだ。
ジメジメとしたイヤな気温のせいで、レイハのテンションも下がり気味である。
「ッあークッソ、湿気で髪ボサボサだし化粧落ちるし、梅雨死ね!!」
ボニーも隣でまとまらない髪の毛と戦っている。
「こんなにジメジメしてるのに球技大会やるってホント…?」
「あー。毎年恒例だからな」
つなぎ高は年に1度、この時期に球技大会が開催されている。
種目は体育館内でできるバスケットボールとバレーボールの2種目に分かれて行われるのだ。
「ボニー、どっちに出るの?」
「バスケ!ウチ中学生ん時バスケ部だったからな」
…なんだかボニーの気の強さの根源が見えたような気がした。
「そー言うレイハはどーすんだよ?」
「ぅん、私運動全般ダメだから見学してようかなって思ってるんだ…」
アハハ、と頭をかくが、これは本当だ。
今まで生きてきた中でスポーツとは全く無縁であったし、ましてや少し走るだけでもすぐ息が上がってしまう。
大勢の前で恥をかくわけにもいかないから何かと理由をつけて本番は見学に回ろう…と考えた。
「…ハァ?そんなのダメだ!」
ボニーが眉間に思いっきりシワを寄せてグイッとレイハの顔を覗き込んできた。
「えっ…」