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好都合な5つのお題【ドラコ夢】

第2章 悪戯心に蜂蜜


少しでも、僕の心に気づいて欲しくて。

ちょっと悪戯をしてみようと思った。

こんな子供っぽい考え、自分でもどうにかしてるって思うけど

僕にはこんな方法しかなかった。



いつも皇はウォーカーと行動している。
たまに、僕が引き離すと、とても寂しそうな顔をする皇。
そんな彼女もたまらない。

そんなある日。
僕は蛙チョコを買い込んだ。

大量に買い込んだ蛙チョコ半分くらいを、女子寮にバラ撒いた。

「きゃぁぁぁ!!」

「何これぇっ!!」

「蛙!?」

女子寮から悲鳴が聞こえる。
そして、チョコまみれの女子が授業の為、出てきた…
が。
肝心の皇は、チョコが少しも付いていなかった。

そう言えば、皇は特別な女子寮にいる、とか。

…失敗したか…。
僕はうなだれた。

僕はスリザリンの顔だ。
特に女子から批判は無かった。

それから蛙チョコ事件は多発させた。
皇の頭上に蛙を落としたかったが、目測を誤ってウォーカーの頭に乗ってしまった挙句
僕とは気付かれなかったものの、かなり罵られた。

「誰よ!もう!サイテー!!
 見付けたらナメクジ吐かせてやるわ!」

授業中に後ろの席で、あくびが聞こえた時にひょいっと蛙チョコを投げてみたり。
しかし、少し力みすぎたのか、教室の奥まで飛んで行って
「ベチャッ」と言う音が聞こえた。

蛙チョコも残り僅か…。
って言っても、20匹位なんだが…。

もうヤケになって、スリザリンの談話室に全匹放った。
そこに皇が談話室に入ってきた時…
びっくりして逃げ回ったが、あらゆるところに蛙チョコが蔓延っている。

「もう、嫌ぁ!」

僕は蛙チョコに怯えたりしない。
しかし、皇が時折見せる表情や行動には吃驚する。

皇は涙ながら、ソファに座ってる僕に抱きついてきた。
皇は僕の首に腕を回し、体を僕に預ける様な形だ。
いわゆる、お姫様抱っこみたいな感じになっている。

僕は必死に彼女を抱きとめた。

「皇、だ、大丈夫か?」

僕の顔はきっと真っ赤だろう。

「蛙!嫌いなの!」

皇は目を涙で濡らしながら僕を見上げた。



悪戯心に蜂蜜

涙目で見上げられる…なんて、最高のスパイスだ。
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