第2章 出会い1
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咲夜は、自分が先程の男達に探されていることも、『男』だと勘違いされていることも露知らず。
(...とにかく、『タイムスリップ』なんて非現実的なことありえないから。)
自分で自分に言い聞かせる。
(大体、私は本能寺跡地にいたのに...)
そこで、思い出した。
(...ん?あれ?愁兄と千兄は?)
思わず辺りを見回す。
(...って、こんな林の中に愁兄と千兄が都合良くいるはずないし。というか、思い出すの遅すぎたかも...?)
ごめん。と一応心の中で謝っておく。
(...取り敢えず、愁兄達を見つけるためにも、ここが何処なのかを誰かに聞こう。)
と考えもう一度辺りを見回すが、
「...誰もいない。」
ここは林の中で、人が通りそうな気配など微塵も感じられなかった。
「...どうしよう。」
私が途方に暮れた、その時だった。
妙な音がしてきたのは。