第2章 出会い1
(...。ん...?)
先程までの目眩が急におさまった。
それと同時に、
(何か、煙くさい...?)
何かが燃えている匂いがする。
下を向いてしゃがみこんでいた状態から顔をあげる。
するとそこは、
「な、に、これ...。」
燃えている室内だった。
(え...!?ここ、どこ...!?)
自分の状況が全く理解出来ず、焦る。
(本能寺跡地にいたはずじゃ...。何で燃えてる室内にいるの...?)
疑問が頭に浮かぶがその答えを自分で出すことは出来なかった。
「...っごほ。」
煙を吸い、咳き込んでしまう。
(とにかく、ここから出ないと...。)
そう思い、立ち上がった。
出口はどこかと周りを見渡す。
だが、見つけたのは、
(...え?)
キラリと光る長い物を持った袈裟を着た男性。
(長い物って...。...刀!?)
少し遅れて頭でそう理解する。
さらによく見てみると、刀は誰かに向けられていた。
(う、そ...。え、もしかして、...殺そうとしてる?)
そして、眠っているのか、刀を向けられているにも関わらず、微動だにしない甲冑姿の男性がいた。