第2章 reunião
ー翔sideー
「ほいお土産」
雅紀「やりぃ♪ありがと翔ちゃん!」
スペイン土産を嬉しそうに受け取る雅紀。
それと同時に注文していたビールが俺達の個室に届けられる。
雅紀「じゃあ乾杯~♪」
「乾杯」
一気に半分程煽り、ジョッキをテーブルに置いた。
雅紀「それで…どうだった?バルセロナ1人旅は」
「うん…まぁ…」
雅紀「まぁ…楽しくはないよね…2人で行く予定だったんだから…」
「………」
目の前に居る同僚の相葉雅紀。
大学は違ったけれど共通の友人を通じて知り合い、気付けば1番気の合う親友になっていた。
部署は違うけど同じ会社に就職して…相変わらずつるむ事が多かった。
俺がゲイだって事もこいつは知っていて。
差別したりしない雅紀に…彼の事も相談したりしていた。
雅紀「キャンセルすれば良かったのに。向こうお金は払うって言ったんだろ?」
「うん…でもそれより旅行思いきり楽しんだ方がお金使うからささやかな復讐かな」
雅紀「おほっ、こわっ!」
「当たり前だ。1週間前に捨てられた身にもなってみろ」
ビールをイッキ飲みし、お代わりを頼む。
雅紀「まぁまぁ…飲も?」
失恋の痛みを忘れるかの様に俺はいつもより早いペースでアルコールを摂取していった。
雅紀「けど何で予定より早く帰ってきたのさ。行く前は行きたいとこ全部回れるか分かんないって言ってた癖に」
「あー…いや…」
言葉を濁すと見透かした様に雅紀に見つめられた。
「………実はさ…」