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私と彼との関係 R18

第2章 夏の話


ふんふん、と勇利の話を真剣に聞いたあと、ヴィクトルはため息まじりに「なるほど、日本人って変わってるね」と呟いて、私の手を取った。

そして…

「エリ、ツキアッテクダサイ」

と、何故か日本語で告白してきた。

「はい?」

「ヴィクトル、恵利いいって言ってるよ〜」

「よし、これで俺達は恋人同士だ、もう合コンなんて行っちゃダメだからね、あ、今日男と連絡先交換したよね?全部消して。分かった?」

待って、私の返事勝手に翻訳しないでお姉ちゃん!それは疑問の "はい"であって、肯定ではないから、勇利もおめでとうって拍手するのやめて!

「あーもう!ちょっとヴィクトルこっちに来て!」

彼の手を軽く引っ張って自分の部屋に連れていく。
適当に座らせてから私も隣りに座って、彼の真意を問おうと思った。
だって、遊ばれてるだけだったらこんなの辛すぎる。今ならまだ大丈夫、線引き出来る所にいる。

「あの、いつから付き合ってると思ってたの?」

「んー、エリがブルガリアに行く前くらい?」

きっとそれは私がモヤモヤとしていた時期、つまりプレゼントをくれていた時期の事なんだろう。
だとすると、本気であれば彼の中では私たちは1ヶ月半ほど付き合っていた事になる。

「私の事好きになってくれたの?それとも…」

「もしかしてからかわれてるとか遊ばれてるとか不安に思ってる?」

「まぁ…」

普通に考えればそうだと思う。

「それは俺が勇利をダシに脅しちゃってたから?」

優しいテノールの問い掛けに、私は小さく頷いた。
すると彼はぎこちなく私を抱きしめて、ごめん。と耳元で謝罪した。

「謝って済む問題じゃないのは分かってるんだ。でも俺本気でエリの事が好きなんだよ、それだけは信じてほしい」

嘘だ。そんなの信じられない。
そう口にしたかったけど、今話そうとしたら涙が溢れてきそうで、私は黙って首を横に振った。

「ごめんね、俺の話聞いてくれる?」

聞きたいけど、聞きたくない。どちらにも首を振れないでいると、やがて彼はぽつりぽつりと話し始めた。
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