第23章 期間限定sharing.

気持ちが軽くなると、今回の同居は楽なものだ。
なんと言っても、かおるさんが居る。

店が改築中で仕事がないから、時間はあるようで。
掃除や洗濯、更には私がバイトで遅くなる日とかは、食事の用意をしてくれる。

同じ家に住む誰かとの挨拶が毎日あって、
家事の全てを自分でやらなくても良い。

快適な生活は、私の思考を駄目にした。

この人達と、ずっと一緒に暮らしたいと、思ってしまった。

勿論、分かっているのだ。
引っ越し先が見付かれば、
改築が終わってしまえば、
皆が出ていってしまう事は。

そして、私の子どもみたいなワガママで、皆を引き留めるなんて出来ない事も。

だから、皆が出ていきやすくなるように、逆の行動をとるようにした。

あまり家に帰らないようにしたのだ。
毎日のように泊まりに行く先は、秋紀の所だから心配はされずに済む。
居心地が悪いと感じているとさえ、思い込んでくれればいい。

ただ、この人達には通用せず

「姉ちゃん、嫌な事も黙って耐えるタイプじゃん。」
「本当に嫌がってるなら、作り笑顔も増えるしね。」

簡単に見破られてしまった。