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【HQ】繋がる縁の円

第21章 企み秘めたる結婚式


‐黒尾side‐

センパイの腕が、昔と変わらず、折れそうなくらい細くて助かった。
切れる寸前だった理性の糸が、なんとか繋がってくれた。

俺が男である事を見せ付けてやろうと、無理矢理でも唇を奪ってやろうと、マジで考えて。
実行する為に、掴んだ腕。
その瞬間、皮膚の下の骨の感触がして。
この人を、壊せない気持ちが勝ってくれた。

だからって、折角掴んだ腕を離してやる気にはなれない。
会える機会がそんなねぇ分、少しでも傍に居たかった。

それに、らしくなく怯えた顔してるセンパイが珍しくて。
からかいがてら、探りくらい入れてみたいと、思ってる。

本気で俺を、ただの家族ごっこの相手としてみてるのか、とか。

こういう状態の時のが、本心出るからな。

「センパイ、ガチガチじゃね?何?やっぱ俺の事、意識してんの?」
「そんな訳ないじゃない。ってか、もう別行動とか言わないから離してよ!」

ふざけた台詞を口にしながら顔を覗くと、勢いよく逸らされる。
意識してるって、行動で示しちまってるって分かってねぇトコが面白い。

「意識してねぇなら、これくらい良くね?仲良い姉弟なら、手くらい繋ぐだろ?」

腕から掌を滑らせて、手を掴む。
流石に指は絡ませちゃくれなかったが、抵抗はしなくなった。
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