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【黒バス】ねえ、青峰くん

第7章 【番外編】Happy Birthday (2017)


「三分待ってやる。とっとと支度しろ。」


 夏休み最終日、朝早くから連絡も無しにやってきた青峰くん。扉を開けるや否や掛けられた言葉に唖然とする。
 今日は部活も休みだし、夏休み最終日、連日の部活疲れをのんびり過ごそし明日からの学校に備えようと思ってたから、未だ寝巻きかつスッピン。


「え、ちょ…は?」
「三分しか待たねえ。」
「ねえ、ちょっと意味わかんないんだけど…!」
「とっととしろ。」


 青峰くんに急かされ、慌てて部屋に戻り、言われるがままにいそいそと着替えを始めた。
 青峰くんが突然家を尋ねて来る事は珍しくないと言えば珍しく無い。付き合う前も散々青峰くんに振り回されたが、付き合ってからも振り回されるのは変わらない。けど、何だかんだ文句を言いつつも、青峰くんに振り回されるのは、悪い気がしない。これが惚れた弱みってやつなんだろうと、しみじみ思う。
 急いで準備をしたものの、女の子の準備が三分で終わる訳は無く、気が付けば、青峰くんが家に来てから三十分が経過していた。
 準備を終え、玄関に向かえば、遅せえと不機嫌そうに腕組みをして待つ青峰くん。


「来るなら来るって前もって連絡くれたら準備してたのに。」
「連絡しようがしまいが、俺の勝手だろうが。行くぞ。」


 私の右手を取り、歩き出した青峰くんに自然と頬が綻んだ。文句を言いつつも、ちゃんと待ってくれる青峰くん。横暴だと思う事は多々あるが、何だかんだいいつつも、根は優しい。


「休みの日に青峰くんが早起きなんて珍しいね。」
「テメェと一緒にすんな。」
「ねえ、どこ行くの?」
「んなもん決まってんだろ。」


 と言うことは、やっぱりいつもの公園かな、なんて思ったのに、連れられてきたのは映画館。青峰くんとのデートは決まって公園でバスケか、スポーツ用品店。あと、本屋さん。高校生のカップルのデートにしては色気が無いと思いつつも、私も青峰くんも根っからのバスケ馬鹿。だから、突然デートっぽい場所に連れて来られたから驚いた。


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