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俺らのマネは地味子さん。

第7章 FOUR





ー丸山sideー



あかん。
あかん、そろそろ限界や。
珍しく作った笑顔を貼り付けた俺も口角が痙攣してる。

最初の2日間は良かった。
だけど、3日目に山田が大ポカしたんや。
それでしぶやんの怒りが毎日爆発した。


「何でコレなん!?
俺が飲んでるのと違ゃうやろーっ!!」

「す、すみません」

頭を下げる山田を見るのは何回目か。
あかん、数えとけばよかったわ。
もう、1週間経ってるから結構な数になるはずやで。


「あっ、大倉それ俺の巻き寿司!」

「えっ?横山くんのそれとちゃうの?」

「これにはキュウリ入ってんねん!」

「・・じゃ、キュウリ抜いてあげる」

「嫌や!」


あーぁ、ケンカ始まった。
宥め役の信ちゃんは、前の現場が押して遅れてる。

いつもなら信ちゃんか白元さんが止めてるはずやのに・・
もう、無理。
俺には無理や、板挟みになるしかなくてもう心底ヘトヘトやねん。




ートントントンー

突然、響いたノック音。
来た!天の助けーーーっ!!

だが、顔を出したのはカメラマンの田所。
前回一緒に仕事した以来、またオファーを受けてくれたんや。
気に入った人しか撮影しないと有名で、凄腕の売れっ子カメラマン。


「あれ?白元さんは?」

キョロキョロと辺りを見渡す田所さん。

「白元ですか?
白元なら別件でいませんが・・」

「そうなの?」

山田の言葉に見るからにガクッと肩を落とす田所さん。
聞けば、白元さんと会いたいがためにオファーを受けたらしい。

どうゆー事や?!
俺らやなくて、マネージャー目的って!!
気に入ってのは俺らじゃなかったの!?

俺の表情を読んでか笑いながらわけを話してくれた。

「白元さんの差し入れが目当てなんだよな」

田所さんの大好物を何故か知っていて、差し入れしていた白元さん。
それも、なかなか手に入らない品らしい。





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