第4章 ONE
「あっ!亮ちゃん!!
聞いてやーっ!」
楽屋に入った途端、マルがニコニコ話しかけてきた。
「うん?」
「大倉が壊れてもーた」
はぁ?
何言ってんの?
と、耳を疑えばあの女の話題や。
マネージャー歴や前職、歳など話題が飛び交う。
それを聞きながら俺は、スタジオで見たあの姿を思い出した。
「なぁ、山田。
あの女の履歴書とか手に入れられへん?」
「あの女って・・地味子?」
「地味子?」
「あのマネージャーや、見るからに地味やろ。
やから、地味子や」
すばるくんが、また変なあだ名付けたで。
だが、間違いじゃないので取りあえず俺は頷いた。
「えっと・・履歴書ですか?」
「おん、別に何でも構わんけど素性が知りたいよ」
俺と同意見なのか他のメンバーもキラキラした目で山田を見つめるが、村上くんと横山くんだけは怪訝な表情を示していた。
調べる様で内心は止めたいんかもしらん。
けどな、あそこまで言われたんや。
俺の事知らんくせに、このままじゃおれへんねん。
俺は無理矢理、山田に頼み込みあの女の素性を調べる事にした。