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おそ松さん〜寝物語は君の隣で〜

第11章 リクエスト作品 ハニーに首ったけ〜カラ松〜






アロマの香りが漂う薄暗い廊下を進み、部屋の鍵を開けた。


(なんかドキドキしてきちゃった…)


ラブホって何度きても慣れない。

いかにも"これからそーゆーことをします"って雰囲気が妙に緊張してしまう。


「主」


荷物をソファーに置いていると、背後から腕を掴まれた。

振り返ればいつもの優しい笑顔……が見れると思ったのに、彼からは表情が消えていた。


「な、なぁにカラ松?」


真っ直ぐ見つめられ高鳴る鼓動。


「来い」

「えっ?」


ずるずると腕を引かれベッドに辿り着く。


「カラま…きゃっ」


押し倒され、小さな悲鳴がカラ松の唇に吸い込まれた。

いつもなら、上がってしまう私が落ち着くまで、ソファーで話したりお酒を飲んで過ごしてくれるのに……。

カラ松は革ジャンを脱ぎ捨て、私の上に覆いかぶさってきた。


「ねぇ…ん、待って…」


絡まり合う舌が激しさを増す。きっとそれは待たないっていう彼の意思表示。


「シャワー…浴びないと」

「いい。面倒だ」

「やだ。汗かいてるから」

「そんなのかまわないから、はやく」


掴まれた手首が痛い。


「お前が欲しい」

「んっ」


カラ松の舌が私の口腔を蹂躙する。

荒っぽいキスに、理由もわからず涙が溢れる。

混ざり合った涎が口の端から流れるほど溢れても、喉を動かせないので飲み込むことすら出来ない。


「ん、ん…んぐ…」


息が詰まり苦しくて呻くと、カラ松はじゅるっと音を立てて唾液を吸い込み唇を離した。


「フッ、そんな困ったような顔されると、ますますいじめたくなるじゃないか」

「…お願い…待って…」

「無理だ」

「どうして?なんで、そんなに——」


言いかけて声が止まる。

彼の瞳の奥に炎が宿ったように見えたから。


「主、すまない」


吐息が私の耳を撫でた。


「今日は優しく抱けそうにない」

「あ…っ」


首筋に舌が這い身体の奥が疼く。





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