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海を想う、海を愛する。【ONE PIECE】

第7章 それからの一年


その後、歳三、お琴という親のように慕っていた二人の死にすっかり塞ぎこんでしまった沙羅。
食事も喉に通らないほどに憔悴した沙羅は、白ひげの判断で一度両親の元に帰ることになった。
「沙羅ちゃん、絶対帰ってきてね」
「次に会う時は、美味しい紅茶を用意しよう」
「必ず帰ってこいよ」
サッチ、ビスタ、ジョズは口々に言った。
皆、沙羅が大好きだった。
「沙羅・・・」
マルコは少しだけ切なそうなに沙羅を見つめた。
「マルコ?心配させてごめんね」

“沙羅ちゃん・・・にぶいなぁ”

サッチは呆れつつも、二人から視線をそらした。
「必ず帰ってこい、お前ぇは俺達の大事な家族だい」
「!!うん」
マルコの言葉に嬉しそうに笑った沙羅はマルコをぎゅっと抱きしめた。
「ありがとう!!マルコ、大好き!」
固まるマルコをよそに、皆を見ると言った。
「皆、大好き!!」
嫌になって降りるのではないと言いたいのだろう。
精一杯の満面の笑みを浮かべ大きく手を振る。
「ありがとう!!また、来るね!」
そう言うと、船を降りた沙羅。

誰も、疑わなかった。
また沙羅が乗船することを。
もちろん、沙羅自身も、疑わなかった。

だが、
その後、
ある新月の晩に、
沙羅も、
ロイもユエも、
家さえも、
全て姿を消してしまうのだった。


海神さん
海神さん
その血を一滴、くだしゃんせ~。

海神さん
海神さん
その腕一つ、くだしゃんせ~。

海神さん
海神さん
いずこに生わします~
その身を分けてくだしゃんせ~・・・。


それは、悪夢など生温い一夜のカウントダウンの始まりだった。
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